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M&Aはどのように成立するの?

M&Aはどのように成立するの?

M&Aは、経営手法の一つとして、近年右肩上がりに増えています。

かつて、M&Aと言えば、上場企業などの大企業が行うものというイメージでした。

しかし、2000年初頭、ライブドアや村上ファンドなどの買収騒動により、M&Aという言葉が幅広く認識されるようになり、中小零細企業の経営者もこの経営手法に目を向けるようになってきました。

中小零細企業の場合、後継者問題や、経営不振、他業種への乗り換えのための会社譲渡など、主に、経営が安定している他社への譲渡を希望する会社が増えています。

この場合、会社や従業員はそのまま存続、税金負担も会社を廃業するよりは軽くなる株式譲渡、という形で行われることが多いです。

買収する側としては、事業拡大や多角経営などを目的として、買い取り先を探しています。

中小零細企業を中心に、実際にどのようにM&Aが成立するのかをご紹介したいと思います。

買収によるM&Aが成立する流れ

①計画や戦略を立てる

①計画や戦略を立てる

売却条件、買取条件、その後の展望などをしっかり描いた上で最適な相手を探します。綿密な調査や計画により、将来起こり得るトラブルも減らすことができます。

②売り手や買い手を探す

②売り手や買い手を探す

自社を売りたい企業、他社を買いたい企業、それぞれが相手先を探します。

まずは、取引先、知人、顧問税理士、会計士、取引銀行に相談するという方法があります。

相手先候補が決まった段階で、仲介専門業者や会計士をアドバイザーとして、その後の手続きなどを進めます。

特に上場企業においては、この作業を秘密裏に行うことが重要です。

買収や統合の情報が事前に外部に漏れてしまうと、インサイダー取引などのトラブルが起こる原因ともなります。

あるいは、相手を探す段階からM&Aコンサルティング、M&Aを仲介するマッチングサイトなど、M&A専門の仲介業者を利用する方法もあります。

専門の仲介業者に依頼する場合、売り手企業、買い手企業の情報も多く持っていますし、各社が条件の概要を公開しているため、お互いに条件に合う相手先を見つけやすいというメリットがあります。

また、「売りたい」「買いたい」という意思がある会社が集まりますから、意思のない相手と交渉をするより、契約までのスピードは早いと言えます。

相手先を探すことだけではなく、手続きの方法や契約に必要な仕業の紹介などまで受けられることもありますから、時間やコストの節約にもなります。

③候補会社に打診

③候補会社に打診

専門業者を通じて相手先を探す場合、手続きは主に業者の主導で行います。

売り手企業は、買い手企業の候補をリストアップしてから、まずはノンネーム方式という匿名での打診を行います。

その中から、おおよその候補が決まると、経営者同士の面談などへ進展します。

買い手が複数の場合、各相手と個別に条件交渉を行うケースもありますが、一斉に条件を提示してもらい、その中から一番条件のいい会社を選ぶという入札方式が行われることもあります。

④条件交渉

④条件交渉

候補となる買い手企業が決定すると、条件交渉を行います。

一番の論点は買取価格となりますが、その他労働条件や設備の問題など、多岐に渡り検討が行われ、両者の妥協点を探り出すことになります。

また、経営者同士の面談も行われ、それはお互いの意思を直接確認し合う重要な場となります。

⑤基本合意

⑤基本合意

両社の条件が折り合った時点で、基本合意契約を結びます。

基本合意というのは、とりあえずお互いの意思が一致したという段階であり、まだ最終的な契約ではありません。

⑥デューデリジェンス

⑥デューデリジェンス

買い手企業は、売り手企業の経営実態の詳細を把握するため、投資するかどうかの判断材料として、財務、法務、労務、事業内容などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を行います。

この調査は非常に重要で、後から膨大な簿外債務や労務問題、法律違反などが見つかると訴訟ざたになることもありますから、慎重に行います。

売り手側企業は、デューデリジェンスには真摯に対応しなければなりません。

そのためには、事前の準備を怠らず、ネガティブな情報も包み隠さず報告する体制を整えておく必要があります。

⑦最終合意

⑦最終合意

デューデリジェンスの結果を踏まえた上で、詳細な条件交渉を行い、お互いに納得の行く結果が得られれば、最終契約を締結します。

買い手は、売り手から買い取った株式の支払いを行い、ここでM&Aが成立したことになります。

合併によるM&Aが成立する流れ

合併には、吸収合併と新設合併があります。
吸収合併は、一見、株式譲渡による買収と似ていますが、大きく異なる点は、以下の様になります。

吸収合併の場合、吸収される側の会社は消滅し、両社が一つの法人格となりますが、株式譲渡による買収の場合、売却側の会社は買い取り側の子会社などの形で存続します。

買収の場合は、経営者判断での合意が可能ですが、吸収合併の場合、取締役会決議・株主総会決議、そして、債権者保護や反対株主の株式買い取りなどが必要となります。

つまり、似たような結果になるとはいえ、吸収合併の方が、買収の場合より複雑な手続きを踏まなくてはならないということになります。

吸収合併の場合、存続会社は消滅会社の株主に対して対価の支払いが発生しますが、この場合、現金とは限らず、株式、新株引受権、社債という場合もあります。

新設合併の場合は、すべての会社が消滅しますが、新設される会社から消滅する会社への対価は株式か社債となります。

新設合併では、母体となる会社がなくなるため、吸収合併よりもさらに手続きも、合併後の調整なども複雑になるため、日本で行われる合併はそのほとんどが吸収合併となっています。

合併に伴う主な流れは以下の様になります。

①基本計画立案

①基本計画立案

合併を行う両社とも、条件などについての計画立案を行います。

②デューデリジェンス

②デューデリジェンス

買収の場合と同様、デューデリジェンスが行われ、財務・税務・法務・労務・事業内容、システムや設備などについての調査が行われます。

合併の規模や形態により、その時期や回数はさまざまですが、少なくとも基本条項が決定した後に1回は行われます。

③取締役会承認・決議

③取締役会承認・決議

両社ともに合併に関する取締役会の決議を行い、承認を得た後に合併契約を締結します。

④合併契約締結

③取締役会承認・決議

会社法に定められた項目(会社の商号、住所、合併対価、割当、資本金、新株引受権承認、効力発生日、など)について締結します。

⑤情報開示

⑤情報開示

合併の各当事会社は合併手続を行う日より、消滅会社では効力発生日まで、存続会社は効力発生日から6ヶ月を経過するまで、必要事項を記載した書面を本店に据え置く必要があります。

⑥株主総会の承認・決議

⑥株主総会の承認・決議

締結された合併契約書について、株主総会の特別決議をもって承認を行います。

通常の決議では、議決権を有する過半数の賛成を必要としますが、特別決議では、3分の2の賛成を得て承認とされます。

⑦反対株主への株式買い取りなど

⑦反対株主への株式買い取りなど

合併に反対している株主には、その保有株式の買い取り請求を行うことができます。

買取価格は会社との協議になりますが、決着がつかない場合は、裁判所による判断にゆだねます。

⑧債権者保護手続き

⑧債権者保護手続き

債権者保護手続きとは、合併による資産の変動が起こった場合、合併に関わる全社の債権者へ確実に債権回収が行われるよう、官報や個別に告知することです。

⑨合併成立

⑨合併成立

合併成立から2週間以内に登記を行います。