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利回りとは?投資を始める前に知っておきたい利回りの基礎知識

皆さんは利率と利回りの正確な違いをご存知ですか?あるいは、不動産投資における表面利回りと実質利回りの違いをご存知ですか?

利回りは投資を始める上で非常に重要な指標であるにもかかわらず、その意味を正しく理解できていない方が少なくありません。

こうした単語の正確な意味を知ることは、投資で成功し、喜びを得る上で非常に重要です。

今回の記事では、「利回り」が持つ意味に関する初歩的な解説を行いますので、これから投資を始めようとしている方は是非参考にしてください。

利回りとは?

利回りとは、投資金額に対する年間収益の割合のことです。投資商品同士の比較をする上で最も重要な指標の1つであり、投資商品ごとに大きさが異なります。

例えば、平均的な株式投資の利回りは、平均的な債券投資の利回りを上回っています。

また、平均的な債券投資の利回りは、平均的な定期預金投資の利回りを上回っています。主な投資の平均的な利回りの高い順に大まかに並べると、以下のようになります。

株式>不動産>債券>投資信託>預貯金

では、常に利回りの高い株式投資を選べば良いのかというと、そうとも言えません。平均的な利回りが高い投資は、その分平均値からズレる可能性も大きいからです。

例えば、株式投資の平均利回りは7%程度と言われていますが、7%を大きく上回ったり、下回ったり(場合によってはマイナスになったり)することも珍しくありません。

一方、預貯金の平均的な利回りは1%を大きく下回っていますが、平均を大きく上回ったり、下回ったりすることはほぼありません。

前者のような投資商品を、俗に「ハイリスク・ハイリターン」、後者を「ローリスク・ローリターン」といいます。

ここで言うリスクとは、平均値からのズレ易さ、リターンとは平均的な利回りの大きさです。

基本的に、リスクが低い、すなわち平均値からズレにくい投資商品は、その分リターンも低く設定されています。

利率と利回りの違い

投資に関する書籍やウェブサイトを見ていると、「利率」「利回り」という単語がよく出てきます。

両者を同じものとして考えている方は少なくないかと思いますが、実際には微妙に異なるものです。

利率とは

利率=利息÷額面金額×100%
利率とは、「額面金額に対する毎年受け取れる利息の割合」のことです。

例えば、額面金額100万円、毎年の利息が3万円の日本国債があるとします。この日本国債の利率は、「3万円÷100万円×100%=3%」です。

株式や不動産のように、実際に運用してみなければ利率がわからない金融商品もあれば、債券や定期預金などのように、予め利率が決まっている金融商品もあります。

基本的には、前者のほうがハイリスクハイリターンです。

利回りとは

利回り=年間収益÷投資金額×100%
利回りとは、「実際に投資を行った結果得られた、投資金額に対する年間収益の割合」のことです。

例えば、額面金額100万円、利息3万円(利率3%)の10年国債を98万円で購入し、5年後に102万円で売却したとします(債券は債券市場で売却できます)。

この場合、5年間で得られた収益は5年分の利息(3万円×5年=15万円)と、売却益(102万円-98万円=4万円)の合計で、19万円です。

5年間で19万円なので、年間収益は3.8万円です。

一方、投資金額は98万円なので、利回りは「3.8万円÷98万円×100%≒3.88%」となります。

利率と利回り、より重要なのはどっち?

利率と利回りはどちらも重要な要素ですが、より重要度が高いのは利回りです。

例えば債券の場合、額面金額と投資金額(購入金額)がズレたり、途中で売却して売却益や売却損が出たりした場合、利率と利回りがズレてしまいます。

定期預金の場合は、中途解約すると利回りが下がってしまうことがあります。

これらの金融商品は、想定されたどおりに運用しないと、当初想定していたよりも利回りが下がってしまうことがままあるため、注意が必要です。

利回りの種類

不動産投資の利回りには、「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3種類があります。

投資用物件情報サイトなどに掲載されているものは、ほとんどが「表面利回り」ですが、表面利回りは必ずしも物件の実質的な収益力を表しているとは限らないため、注意が必要です。

表面利回り

表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100%

表面利回りとは、1年間常に満室だった場合に受け取れる家賃収入を、物件購入価格で割った利回りのことです。

例えば、物件価格が5000万円、戸数が10戸、1戸あたりの家賃が5万円だった場合、表面利回りは「(5万円×10戸×12ヶ月)÷5000万円×100%=12%」となります。

表面利回りは、その物件の大まかな収益力を捉えるのに役立ちます。

一方で、この計算式では、購入時諸経費や年間諸経費を無視しているため、実態よりも数字が高く出やすいという一面もあります。

実際に不動産投資を行って、表記されていた表面利回り通りの利回りを達成できる可能性は非常に低いです。

実質利回り

実質利回り=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100%

実質利回りとは、物件が満室だった場合の年間家賃収入から、年間諸経費(管理費、修繕費、固定資産税など)を引いたものを、物件価格に購入時諸経費(登録免許税、印紙税など)を足したもので割った数字です。

物件価格が5000万円、購入時諸経費が200万円、戸数が10戸、1戸あたりの家賃が5万円、年間諸経費が100万円の場合、実質利回りは「(5万円×10戸×12ヶ月-100万円)÷(5000万円+200万円)×100%≒9.6%」となります。

実質利回りは、年間諸経費や購入時諸経費を考慮しているため、表面利回りよりも物件の収益力を正確に表していると言えます。

区分マンションや1棟建てのRC(鉄筋コンクリート造)マンションなどは、特に年間諸経費が占める割合が大きく、表面利回りと実質利回りに差が付きやすいため、必ず実質利回りを計算する必要があります。

想定利回り

想定利回り=想定年間家賃収入÷物件価格×100%

想定利回りとは、文字通り想定された利回りのことです。

新築物件の場合、家賃をいくらにすれば入居付けができるかが分かりづらいため、想定された家賃を元に利回りを計算することがあります。

年間諸経費や購入時諸経費を考慮しないという点では、表面利回りに似ています。

最も実態をよく表しているのはどれ?

3種類の利回りの中で、最も実態に近いのは表面利回りです。

実際に不動産投資を行う上で諸経費は必ず払うべきものですが、それを想定しているのは実質利回りだけです。

にもかかわらず、不動産情報サイトなどには、表面利回りが記載される事がほとんどです。理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は「表面利回りのほうが数字が大きく、見栄えが良いため」。

不動産情報サイトとしては物件が売れたほうが望ましいため、買い手にとって有利に見えるような書き方をするのです。

2つ目は「実質利回りは計算しづらいため」。

実質利回りは、より物件の実態に即した数字ですが、年間諸経費や購入時諸経費をそこから計算するのは、結構な労力がかかるのです。

利回りの計算方法

利回りの計算方法は、投資の種類によって異なります。ここでは投資の中でも特にメジャーである「不動産投資」「投資信託」「株式投資」について解説いたします。

不動産投資

利回り(実質利回り)=(年間家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100%

不動産投資の利回りについては、先ほども解説したとおり、「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3つがあります。

不動産情報サイトには、表面利回りしか記載されていないことがほとんどですが、それでは不十分なため、諸経費を想定し、実質利回りを自分で計算する必要があります。

といっても、各種経費を正確に計算するのは極めて難しい、というか実質的に不可能であるため、正確な実質利回りを出すのは、最初から無理なものと割り切ったほうが良いでしょう。

投資信託

利回り=年間収益÷投資金額×100%

投資信託の利回りについては、投資信託を比較しているWEBサイトで公開されているため、自分で計算する必要はありません。

そうしたWEBサイトである価格.com(URL:http://kakaku.com/fund/)によれば、2018年10月23日現在、1年間の利回りが最も高かった投資信託は「楽天日本株4.3倍ブル」で、その数値は85.17%です。

もっとも、これは過去の利回りの数値であり、将来の利回りを保証するものでは全くありません。

株式投資

配当利回り=1株あたりの年間配当金額÷1株あたりの購入価額×100%

株式投資における利回りとは、もっぱら配当利回りのことを指します。配当利回りとは、購入した株価に対する配当額のことです。

例えば、1株2000円で買って、40円の配当があった場合、配当利回りは「40円÷2000円×100%=2%」となります。

なお、配当利回りに似た概念に、配当性向というのがあります。これは、当期純利益の中からどれだけを配当に回したか、というものです。

例えば、ある企業の年間当期純利益が10億円で、配当に回した金額が2億円の場合、配当性向は20%となります。

配当利回りや配当性向は高いほど良いと考えてしまいがちですが、実は一概にそうとも言えません。

配当、すなわち株主に回すお金の割合が増えれば、それだけ企業が投資に回せるお金が減るからです。

さらなる投資で事業・利益の拡大を狙う成長企業は、配当利回りや配当性向をわざと低く抑えることがしばしばありますが、それが株主にとって一概に悪いこととは言えません。

成長すれば、株価が上がって売却益を得られるからです。

まとめ

利回りは、投資商品の基本的な質や傾向を知る上で非常に重要です。

もちろん、利回りしか見ないというのはよくありませんが、利回りを軽視するというのはそれ以上に危険です。

投資を行う際には、必ず複数の投資商品の利回り、そしてリスクも忘れずにチェックしましょう。

[記事公開日]2018.11.12
[最終更新日]2018.12.03
[ライター]佐久間